24時間ボランティアバスパック

前回の予告通り金土で、「東日本大震災被災地支援の会」の24時間ボランティアバスパックに参加してきました。
場所は宮城県亘理(わたり)町です。
今回は高校からの友人と二人で参加。
集合時間は22時30分。
夜行バスに乗ってまで行き、朝の8時からお昼を挟んで15時までボランティアをし、またバスで帰ってくるという、至れり尽くせりの、強行スケジュールなパックです。

今回は、亘理町のイチゴ農家のビニールハウス建てをする班と、私たちが参加した亘理町吉田浜海岸の清掃をする班に分かれました。

恥ずかしながら、行くまで吉田浜も亘理町の被害も全く知らなかった私。

吉田浜海岸は日本一の鳴き砂(鳴り砂ともいう)海岸として、地元に愛されてきたそうです。砂は白くきれいで、乾いたところを踏むとキュッキュッと音がします。


朝、7時前ぐらいにバスが農協の前に着きました。
農協の周りは遠くに山々が見えて、のどかな田舎町の風景。
意外と復興が進んでる?ほかの地域と変わらずに営業するコンビニや、車の往来を見て、そんな感想を持ちました。
それが、覆されたのが、浜へのバスの中でした。

海に近付き、内側の防波堤のようなところをくぐったとたん、

何もない。

家はポツリポツリあるが、一階部分に何もない。

家の跡はあるけど、草ぼうぼうで何もない。

畑だったところも草ぼうぼうで何もない。

ここでのボランティア作業はもうやれることは終わったそうで、がれきは山になり、そこに草がみっちりと生えて、言われるまで丘だと思うほどでした。

ゆがんだ電柱と、ぼろぼろのガソリンスタンドと、一方向になぎ倒された木が、唯一当時の威力を物語っていました。

津波は恐ろしい。地震の後は、修理しよう立て直そうと思えるけど、こんなに何もないとどうしようもできない気持ちに襲われる。
そんな意味で津波は本当に恐ろしいと思いました。


浜は、とても気持ちの良い浜でした。
津波や台風で流れてきたものを一つ一つ拾い上げ、熊手で枝枝をかき集め、だんだんボランティア同士も仲良くなり、タイムオーバーで端までできなかったのが悔やまれつつ、振り返れば来た時よりも格段にきれいになっていて、達成感がありました。

私が拾ったのはさまざま。プラスチックやお菓子の袋、車に付いてるシールや枝豆、苗が入るポットや壁の一部(?)までありました。
中には椅子を拾った方も!

海の波音は心地よく、サーファーに好かれる浜だったのがよくわかりました。
被災地の方の生活を直接助けることは出来なかったけれど、支援の会の担当さんは言っていました。
「地元の方は海がまだ怖いそうです。あの浜は好きだけど何もかも奪った海は怖くてまだ見に行くことができないと。でも、ゴミが浜に入り込んでしまうともう鳴かなくなってしまうそうで、外部の私たちだからこそできることもあるのではないか、そう思ってお願いすることにしました。」

いつか、きれいになった吉田浜に、サーファーの方々が帰ってこられますように。


帰りのバスで、イチゴ農家の支援に行った方のお話も聞けました。
津波で家も200棟以上あったハウスも流されても、別の場所でイチゴを1から育てようと頑張っている方のお宅に行ったそうです。前向きな農家の方に逆に励まされたそうです。
バスの窓から仮設住宅で暮らす方も見えました。子どもたちの元気な姿が見えました。
もう、これからに向かって頑張っているんだなぁ。そこをどう支援していくか、ボランティアとしてこれから何が出来るんだろうなぁと考えてしまいました。

今回に限らずまた行けたらいいなと思います。
夜行バスは結構きつくてあんまり眠れませんでした(ネックピローを持っていかなかったのが後悔……)。それ以外は女性が多く、着替える場所もちゃんとあったりと作業しやすいパックでした。
一緒に行ってくれた友よ、ありがとう。